07/29/2019
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:水野 秀也)は、2018年9月、アインズ株式会社(本社:滋賀県蒲生郡竜王町、代表取締役社長:大森七幸氏)に、「Push to Stop」をコンセプトとするハイデルベルグのフラッグシップモデル、スピードマスターXL106-8-P LED UV(LED UV仕様の8色両面兼用機)を納入しました。
今回の導入は2台の枚葉印刷機(8色機/6色機)を1台のXL106に集約し、「Push to Stop」による完全自動運転を目指すという大胆な挑戦でした。ハイデルベルグ・ジャパンとしても、その成果に注目していましたが、今回、同社の代表取締役社長である大森七幸氏から「Push to Stop」の成果について詳しくお話を伺うことができました。
また同社ではハイデルベルグ・ジャパンの中古機サービス「ハイデルベルグRE」を活用し、仕事内容に見合ったジャストスペックの印刷機として1997年製のスピードマスターSM102-4-Pも導入しました。最先端の印刷機と中古機を同時に導入した同社の周到な経営戦略にもご注目ください。
アインズ株式会社は、明治10年の創業以来140年を超える歴史を紡いできた総合印刷会社です。県内6ヵ所、県外6ヵ所の営業拠点を擁し、滋賀県を中心に隣接する福井、三重、京都、さらには大阪、名古屋、東京まで幅広い市場をカバーしています。
ビジネス領域も多岐にわたり、企画・デザインからマーケティングコンサルティング、商業印刷物/パッケージ/帳票類のプリント事業、WEBサイト制作やアプリ開発などのデジタル事業、さらにはドローンやクラウドファンディングなど新事業の開拓にも意欲的に取り組んでいます。代理店や同業者を介した下請け仕事はほとんどなく、ほぼ100%がお客様との直取引で、お客様の声を直接聞いて、直接提案できるのが強みだと大森社長は話しています。
琵琶湖をあずかる滋賀県の企業として環境意識も高く、再生紙や大豆油インキの使用、VOCの低減、作業環境の改善、廃液のでない「水なし印刷」など製造現場での負荷を低減する「引き算の責任」と共に、お客様にとってプラスになる「足し算の責任」にも取り組んできました。具体的には温室効果ガスの排出権がついた水なし印刷「GREENeye」、緑の募金つきエコカレンダー、印刷用紙の購入代金が琵琶湖の環境保全活動に役立つ「びわ湖環境ペーパー」などです。
さらにCSRを経営の柱のひとつと位置づけているのも同社の強みです。顧客満足を追求するCSでなく、従業員、取引先、地域社会まで視野に入れたCSR活動を展開。営業スタイルも自社の商品特性や印刷技術を単に訴求するのではなく、コミュニケーションを支援する印刷会社(コミュニケーションプラットフォームカンパニー)という立場にたって、顧客や社会の課題解決を目指しています。
同社は活版印刷機の時代から長年にわたって、ハイデルベルグ印刷機を愛用してきました。そのなかには、アジアパシフィック初の12色機やコールドフォイルモジュール搭載の10色UV印刷機など国内有数の印刷機も数多く見受けられます。
CtPや中とじ機、ダイカッター、ポーラー断裁機、スタールフォルダー紙折り機といったハイデルベルググループの生産設備も数多く導入してきました。そして今回、「Push to Stop」をコンセプトとした最新鋭機スピードマスターXL106-8-P LED UVを導入しました。その理由について大森社長は次のように説明しています。
「印刷オペレータは10年で一人前といわれますが、10年後にこの業界がどうなっているのか分からず、人材育成の時間的余裕もありません。また少子高齢化の影響で人手不足は慢性化しています。将来が予測できない、厳しい経営環境が続く今だからこそ、製造現場では自動化による生産性向上が必須だと感じています。しかもAI機能を搭載したXL106なら若手オペレータでも安心して任せられるので、人材育成の負担も軽減できるでしょう」
同社では2台の枚葉印刷機(8色機/6色機)を1台のXL106に集約し、「Push to Stop」による完全自動運転を目指しました。導入後の成果は目覚ましく、「生産効率、スピード共にスペック通りだった」と大森社長は喜んでいます。今まで8色機と6色機を使って丸2日間かかっていたジョブ(平均ロット500枚/50台以上)も、わずか1日で素早く処理できました。生産性は単純計算で従来の4倍近くにも達します。
「LED UV+水なし印刷」という難しい課題にも挑戦中ですが、現場では毎時18,000枚の最高速をつねに維持するよう努めているそうです。
XL106は生産性を劇的に高めるだけでなく、同社のビジネス変革の起爆剤にもなると大森社長は期待しています。
「XL106という1台の印刷機を中心とするPush to Stopという考え方が、当社のデジタルトランスフォーメーションの起点になりました。工場内の情報伝達をすべてデジタル化してゆくことで、Push to Stopによるスマートファクトリーが実現できます。
さらにインプットを担う営業部門までデジタルでつながれば、スマートカンパニーの実現も夢ではありません。すでにリピートジョブについては受注時点ですぐに工場へと情報が伝わる仕組みも出来上がりました。これにより多忙な営業マンを雑用から解放し、営業本来の仕事である市場創造に集中する環境が整いつつあります。営業スタイルの変革によって、営業拠点の統廃合も視野に入ってきました」
アインズ株式会社がデジタルトランスフォーメーションを推進し、社会のコミュニケーションプラットフォームカンパニーへと向かう確かな道筋を示した印刷機…それがハイデルベルグのスピードマスターXL106だったのです。
アインズ株式会社は、XL106の導入と同時に、ハイデルベルグREのスピードマスターSM102-4-Pを導入しました。その理由について大森社長は次のように話しています。
「当社では参考書や問題集など学参関係の仕事も手がけています。こうした単色刷り/2色刷りの仕事を効率良く処理するために4色両面印刷機を導入しました。以前は8色機や12色機を使うこともあったので、オーバースペックではないジャストスペックの印刷機で処理できればと考えていました。教育分野でもIT化が進んでいて、いつ紙メディアがタブレットなどに置き換わるかもしれません。ある日突然、仕事がなくなっても不思議のない業界なので、最低限の投資に抑えたいとハイデルベルグREを活用しました」
中古機で投資を抑えたいと考えた大森社長ですが、メーカーの選択肢はハイデルベルグしかなかったそうです。それはハイデルベルグが「世界最大の印刷機械メーカー」で、「他社にはない一貫した品質管理システム」があること、そして「長年にわたる信頼関係」が決め手となったと大森社長は断言しています。
今回導入したスピードマスターSM102-4-Pは20年以上前に製造された印刷機です。ハイデルベルグ機本来の堅牢性と耐久性能、そして入念なメーカーメンテナンスを考慮すれば「機械性能に心配はない」と大森社長は考えていましたが、念には念を入れて事前に印刷機の状態をオペレータが確認した上で導入を決めました。
担当になったベテランオペレータは自分の経験値を活かせる「懐かしい」「楽しい」印刷機だとやる気を見せているそうです。省力化と自動化が進むなかで、ベテランオペレータの処遇に悩む会社も多いようですが、ハイデルベルグREがひとつの解答を提示できるかもしれません。
現在、同社ではこのSM102-4-Pを使って平均ロット1万枚のジョブを毎時6,000〜8,000枚の印刷スピードで処理しているとのこと。メインとなる多色刷りの仕事は最新鋭機のXL106-8-Pに集約し、単色刷り/2色刷りの仕事はハイデルベルグREの4色機に任せるという選択は、将来が予測できない印刷業界における、まさに「賢い投資」といえるでしょう。
ハイデルベルグREとはハイデルベルグ・ジャパンが提供する中古機サービスのこと。「市場に再投入された機械」を意味する「Remarketed Equipment」の頭文字をとって、中古機サービスのブランドとして名付けられました。
ハイデルベルグREでは、お客様の工場で長年活躍してきた製品を買取り/下取りし、その後ハイデルベルグのサービスチームが責任を持って整備(清掃・洗浄・修理・部品交換etc)して、新しいお客様の元に届けることをミッションとしています。
ハイデルベルグ製の印刷機をはじめ、他社製印刷機、断裁機、折り機、中とじ機など幅広い印刷設備の買取り/下取り/再販売を行っています。
太田 一彦
デジタルマーケティング部
Tel: 03-5715-7374
Fax.: 03-5715-7260
メールアドレス: kazuhiko.ota@ heidelberg.com
07/29/2019
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:水野 秀也)は、2018年9月、アインズ株式会社(本社:滋賀県蒲生郡竜王町、代表取締役社長:大森七幸氏)に、「Push to Stop」をコンセプトとするハイデルベルグのフラッグシップモデル、スピードマスターXL106-8-P LED UV(LED UV仕様の8色両面兼用機)を納入しました。
今回の導入は2台の枚葉印刷機(8色機/6色機)を1台のXL106に集約し、「Push to Stop」による完全自動運転を目指すという大胆な挑戦でした。ハイデルベルグ・ジャパンとしても、その成果に注目していましたが、今回、同社の代表取締役社長である大森七幸氏から「Push to Stop」の成果について詳しくお話を伺うことができました。
また同社ではハイデルベルグ・ジャパンの中古機サービス「ハイデルベルグRE」を活用し、仕事内容に見合ったジャストスペックの印刷機として1997年製のスピードマスターSM102-4-Pも導入しました。最先端の印刷機と中古機を同時に導入した同社の周到な経営戦略にもご注目ください。
アインズ株式会社は、明治10年の創業以来140年を超える歴史を紡いできた総合印刷会社です。県内6ヵ所、県外6ヵ所の営業拠点を擁し、滋賀県を中心に隣接する福井、三重、京都、さらには大阪、名古屋、東京まで幅広い市場をカバーしています。
ビジネス領域も多岐にわたり、企画・デザインからマーケティングコンサルティング、商業印刷物/パッケージ/帳票類のプリント事業、WEBサイト制作やアプリ開発などのデジタル事業、さらにはドローンやクラウドファンディングなど新事業の開拓にも意欲的に取り組んでいます。代理店や同業者を介した下請け仕事はほとんどなく、ほぼ100%がお客様との直取引で、お客様の声を直接聞いて、直接提案できるのが強みだと大森社長は話しています。
琵琶湖をあずかる滋賀県の企業として環境意識も高く、再生紙や大豆油インキの使用、VOCの低減、作業環境の改善、廃液のでない「水なし印刷」など製造現場での負荷を低減する「引き算の責任」と共に、お客様にとってプラスになる「足し算の責任」にも取り組んできました。具体的には温室効果ガスの排出権がついた水なし印刷「GREENeye」、緑の募金つきエコカレンダー、印刷用紙の購入代金が琵琶湖の環境保全活動に役立つ「びわ湖環境ペーパー」などです。
さらにCSRを経営の柱のひとつと位置づけているのも同社の強みです。顧客満足を追求するCSでなく、従業員、取引先、地域社会まで視野に入れたCSR活動を展開。営業スタイルも自社の商品特性や印刷技術を単に訴求するのではなく、コミュニケーションを支援する印刷会社(コミュニケーションプラットフォームカンパニー)という立場にたって、顧客や社会の課題解決を目指しています。
同社は活版印刷機の時代から長年にわたって、ハイデルベルグ印刷機を愛用してきました。そのなかには、アジアパシフィック初の12色機やコールドフォイルモジュール搭載の10色UV印刷機など国内有数の印刷機も数多く見受けられます。
CtPや中とじ機、ダイカッター、ポーラー断裁機、スタールフォルダー紙折り機といったハイデルベルググループの生産設備も数多く導入してきました。そして今回、「Push to Stop」をコンセプトとした最新鋭機スピードマスターXL106-8-P LED UVを導入しました。その理由について大森社長は次のように説明しています。
「印刷オペレータは10年で一人前といわれますが、10年後にこの業界がどうなっているのか分からず、人材育成の時間的余裕もありません。また少子高齢化の影響で人手不足は慢性化しています。将来が予測できない、厳しい経営環境が続く今だからこそ、製造現場では自動化による生産性向上が必須だと感じています。しかもAI機能を搭載したXL106なら若手オペレータでも安心して任せられるので、人材育成の負担も軽減できるでしょう」
同社では2台の枚葉印刷機(8色機/6色機)を1台のXL106に集約し、「Push to Stop」による完全自動運転を目指しました。導入後の成果は目覚ましく、「生産効率、スピード共にスペック通りだった」と大森社長は喜んでいます。今まで8色機と6色機を使って丸2日間かかっていたジョブ(平均ロット500枚/50台以上)も、わずか1日で素早く処理できました。生産性は単純計算で従来の4倍近くにも達します。
「LED UV+水なし印刷」という難しい課題にも挑戦中ですが、現場では毎時18,000枚の最高速をつねに維持するよう努めているそうです。
XL106は生産性を劇的に高めるだけでなく、同社のビジネス変革の起爆剤にもなると大森社長は期待しています。
「XL106という1台の印刷機を中心とするPush to Stopという考え方が、当社のデジタルトランスフォーメーションの起点になりました。工場内の情報伝達をすべてデジタル化してゆくことで、Push to Stopによるスマートファクトリーが実現できます。
さらにインプットを担う営業部門までデジタルでつながれば、スマートカンパニーの実現も夢ではありません。すでにリピートジョブについては受注時点ですぐに工場へと情報が伝わる仕組みも出来上がりました。これにより多忙な営業マンを雑用から解放し、営業本来の仕事である市場創造に集中する環境が整いつつあります。営業スタイルの変革によって、営業拠点の統廃合も視野に入ってきました」
アインズ株式会社がデジタルトランスフォーメーションを推進し、社会のコミュニケーションプラットフォームカンパニーへと向かう確かな道筋を示した印刷機…それがハイデルベルグのスピードマスターXL106だったのです。
アインズ株式会社は、XL106の導入と同時に、ハイデルベルグREのスピードマスターSM102-4-Pを導入しました。その理由について大森社長は次のように話しています。
「当社では参考書や問題集など学参関係の仕事も手がけています。こうした単色刷り/2色刷りの仕事を効率良く処理するために4色両面印刷機を導入しました。以前は8色機や12色機を使うこともあったので、オーバースペックではないジャストスペックの印刷機で処理できればと考えていました。教育分野でもIT化が進んでいて、いつ紙メディアがタブレットなどに置き換わるかもしれません。ある日突然、仕事がなくなっても不思議のない業界なので、最低限の投資に抑えたいとハイデルベルグREを活用しました」
中古機で投資を抑えたいと考えた大森社長ですが、メーカーの選択肢はハイデルベルグしかなかったそうです。それはハイデルベルグが「世界最大の印刷機械メーカー」で、「他社にはない一貫した品質管理システム」があること、そして「長年にわたる信頼関係」が決め手となったと大森社長は断言しています。
今回導入したスピードマスターSM102-4-Pは20年以上前に製造された印刷機です。ハイデルベルグ機本来の堅牢性と耐久性能、そして入念なメーカーメンテナンスを考慮すれば「機械性能に心配はない」と大森社長は考えていましたが、念には念を入れて事前に印刷機の状態をオペレータが確認した上で導入を決めました。
担当になったベテランオペレータは自分の経験値を活かせる「懐かしい」「楽しい」印刷機だとやる気を見せているそうです。省力化と自動化が進むなかで、ベテランオペレータの処遇に悩む会社も多いようですが、ハイデルベルグREがひとつの解答を提示できるかもしれません。
現在、同社ではこのSM102-4-Pを使って平均ロット1万枚のジョブを毎時6,000〜8,000枚の印刷スピードで処理しているとのこと。メインとなる多色刷りの仕事は最新鋭機のXL106-8-Pに集約し、単色刷り/2色刷りの仕事はハイデルベルグREの4色機に任せるという選択は、将来が予測できない印刷業界における、まさに「賢い投資」といえるでしょう。
ハイデルベルグREとはハイデルベルグ・ジャパンが提供する中古機サービスのこと。「市場に再投入された機械」を意味する「Remarketed Equipment」の頭文字をとって、中古機サービスのブランドとして名付けられました。
ハイデルベルグREでは、お客様の工場で長年活躍してきた製品を買取り/下取りし、その後ハイデルベルグのサービスチームが責任を持って整備(清掃・洗浄・修理・部品交換etc)して、新しいお客様の元に届けることをミッションとしています。
ハイデルベルグ製の印刷機をはじめ、他社製印刷機、断裁機、折り機、中とじ機など幅広い印刷設備の買取り/下取り/再販売を行っています。
デジタルマーケティング部
Tel: 03-5715-7374
Tel: 03-5715-7260