ハイデルベルグ機を中心に一貫した社内生産体制を構築
長野県塩尻市に本社を構える日本ハイコム株式会社は、1971年(昭和46年)の創業以来、印刷業界の変化を見極めながら業態変革に積極的に取り組んできました。創業当初の写植業から培ってきた高度な文字組版の技術を背景にDTP・出力サービス・印刷まで自社の事業領域を拡大。現在では学術図書や参考書、技術書、報告書などの出版印刷を中心にポスター、チラシ、カタログといった一般商業印刷までカバーする総合印刷会社へと大きく成長しています。
こうした同社の発展を支えているのがハイデルベルグの印刷関連機器です。プリプレス部門には四六全判対応のサーマルCtPレコーダー「スープラセッター105+SCL」、プレス部門にはハイデルベルグの菊全判2色機2台とスピードマスターSM74の4色両面機、ポストプレス部門にはポーラー断裁システムを導入して一貫した社内生産体制を構築。
多品種、小ロット、短納期、高品質といった時代のニーズに柔軟に対応しています。顧客は県内から全国まで幅広く、特に出版社が集中する東京には古くから営業拠点を設けて、書籍印刷での豊富な実績を築いてきました。現在、東京支社には営業部門とオンデマンド印刷を含む出力サービス部門が併設されています
クロスメディアパブリッシングセンターの設立
社内一貫生産による完全内製化で幅広い顧客ニーズに応える同社ですが、「お客様第一主義」のさらなる徹底を図るために着手したのが、工場環境の整備と制作体制の強化でした。その理由について代表取締役社長である平谷茂政氏は次のように語っています。「今の時代の流れのなか、小ロット・短納期・高品質を実現することはもちろん、いかに安いコストでお客様に満足していただける製品を提供できるかを考えた時、大型設備の導入よりもまず工場環境を整えようと決心しました」従来は工場の建物が何棟かに分かれていて作業性に悪影響を与えていました。これを改善するため、生産工程のすべてを一つの棟に統合。これにより1階には印刷から製本、発送環境が整い、2階には制作・製版工程が集約されました。2階は床暖房が完備され、一人ひとりのデスクは作業に集中できるようパーテーションで区切られています。
またDTPオペレータのモニタも作業性を高めるために大画面モニタへと変更されました。「この建物ができて、快適な作業環境で仕事ができることが社員のモチベーション向上にもつながっています」と工場を統括する大家進氏(本社事業部長・常務執行役員)は語っています。2010年に完成したこの新しい工場は「印刷の情報はデジタル化し、ワンソースマルチユースするべき」という平谷茂政社長の考えを具体化するものとして「クロスメディアパブリッシングセンター」と命名されました。
「環境格付制度」の3つ星を取得
同社は環境保護活動にもいち早く取り組んできました。「まずは社員の意識改革から」と2000年には5S活動をスタート。省資源、省エネルギー、リサイクル活動、環境にやさしい材料・資材の購入、ミスの撲滅などを積極的に推進し、2007年には本社工場でISO14001を認証取得しました。さらに2008年には、このISO14001の認証範囲を東京支社を含む全社・全部門に拡大しました。同社の社員は地域貢献活動にも率先して取り組んでいます。年1回、地元塩尻市で開催される「エコ・ウォーク(ウォーキング&地域のゴミ拾い)」には今年も社員12名が参加。工場周辺1kmエリアの清掃活動も毎朝30分社員が自主的に行っています。また余った用紙を断裁して地域の保育園にお絵描き用として寄付するなど、その活動は多彩です。
こうした環境対策と地域への地道な貢献、そしてクロスメディアパブリッシングセンターの設立という同社の活動が認められ、「環境格付制度」の3つ星取得にもつながりました。この「環境格付制度」とは経済産業省が行っている制度のひとつで、100以上ものチェック項目をクリアし銀行が格付けするもので、県内の印刷会社では初の取得となりました。しかしこれが同社のゴールではありません。平谷社長は「向こう3年間でCO2排出量を6%削減する目標で工場の管理に取り組んでいる」と語っています。さらに「環境に配慮しつつ、これからも印刷を核にデータベースからデザイン、DTPとマルチメディアにも幅広く対応できる人材を育てていくことが当社の目標である」と平谷社長は将来の展望について語ってくれました。
【会社概要】
会社名 : 日本ハイコム株式会社
代表者 : 代表取締役 平谷茂政氏
本社所在地: 〒399-0651 長野県塩尻市北小野4724
TEL : 0263-56-2111
資本金 : 2億3,420万円
創業 : 1971年6月(昭和46年6月)
設立: 1974年1月(昭和49年1月)
従業員数: 約60名
事業内容: 総合印刷業
ホームページ: http://www.hcom.co.jp/