平素は格別なご高配を賜り、心より御礼申し上げます。印刷業界にとって、飛躍の年にしたい2023年、皆様、どのようにビジネスをスタートされましたでしょうか?
昨年は、ウィズコロナでの事業経営が日常化され、国内外の人流が徐々に再開されてきた一方で、ウクライナ侵攻、原材料費高騰、世界的インフレ、そして、円安進行と新たな不確実性への対応に迫られた年でもありました。そして、2023年も世界情勢は目まぐるしく変化を続け、印刷業界にあっても抜本的な変革が求められることが予測されます。これは、ソリューションプロバイダーである私どものみならず、皆様も、またクライアント様との関係においても、同じことが言えるのではないでしょうか。
私どもでは、長期的に持続可能なビジネスを実現するために、お客様を成功に導くことにコミットしております。なぜなら、お客様が成功してこそ、私どもも成功することができるからです。 ここ数年来、私どもはこの信念にベクトルを合わせ、社内のチェンジマネジメントプログラムを用いて、一貫して、お客様を成功に導くための能力を向上させるよう努めております。これは1回限りのプロジェクトではなく、ひとつひとつ段階を追って進めていくもので、時間と粘り強さが必要です。皆様におかれましても、同じような経験をされていらっしゃるかもしれません。そして、私どものエキスパートは、日々スキルアップを目指し、新しいビジネスアプローチに挑戦しながら、少しでもお客様の利益となりますよう、データ及び、デジタル化されたプロセスを積極的に活用してまいります。
また、私どもは、引き続き、お客様がPush to Stopのコンセプトに基づいて生産性向上を実現するためのサポートを続けてまいります。この方法によって、良品1枚あたりのコストのみならず、エネルギーコストも大幅に抑えることが可能です。
新しいデジタルプラットフォーム「H+」にもご注目ください。 H+は、ハイデルベルグ製品ユーザー様のためだけでなく、インキメーカー等、他の印刷関連メーカー様にも画期的なデジタルプラットフォームとして、快適でエキサイティングな印刷ビジネス環境を提供いたします。そして、オペレーションの継続的な改善を可能にするデータとトレンドレポートを取得することができます。 意思決定のためのデータは、常に正しく、真のトレンドを示すものでなければなりません。装置や生産ワークフローから直接得られるデータは、継続的かつ一貫して皆様の意思決定をサポートし、ビジネス成功の基礎となるものです。 H+ プラットフォームは、現場と経営陣にリアルタイムな透明性を提供し、関係者全員が、意思決定のために、常に同じデータとトレンドを確認することができます。
Push to Stop 、及び、H+によるデータに基づいた意思決定、チェンジマネジメントにつきましては、補足事項にてご説明しておりますので、併せてご一読いただけますと幸いです。
最後になりますが、皆様の良きパートナーとして、皆様の業務改善をサポートさせて頂きます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社
代表取締役社長 ヨルグ・バウアー
以下では、2023年に向けて、皆様にとって最も関心が高いと思われる2つのトピックを取り上げたいと思います。
A. 印刷物1枚あたりのエネルギーコストを可能な限り抑えた生産
B. データに基づいた意思決定はマネジメント を変える
A. 印刷物1枚あたりのエネルギーコストを可能な限り抑えた生産
電力コストの上昇に伴い、印刷物の生産にかかるエネルギーについて、誰もがあらためて考えるようになりました。ここでは、エネルギーコストの低減に役立つ、基本的かつ重要な事実をお伝えします。
まず、現在お持ちの装置でのエネルギー効率の良い生産についてです。
以下は、従来の機械、UV、LED UVなど、どのような種類の機械にも当てはまります。
重要なのは、ある特定の機械のエネルギー消費量や月毎の エネルギーコストではなく、良品一枚あたりのエネルギーコストを考慮することです。
しかしここで、良品一枚あたりのコストを最も低くするにはどうすればよいかが課題となります。
印刷速度による1000枚あたりのエネルギーコストのグラフをご覧ください。
*POWER (kW) 電力
*Energy efficiency kWh/1000 sheets エネルギー効率 1000枚あたりのKWh
次に、新しいエネルギー効率の高い機械への投資を検討される場合は、製品ポートフォリオとクライアント様のニーズをよく見直してください。
最もエネルギー消費量が少なく、1枚あたりのコストが低いのは、従来の油性の印刷機です。
UVまたはLED UVまたはIRドライヤーがない機械では、ドライヤーのエネルギー消費はありません。
現在、3台の機械で生産されているとして、最新の機械なら1台、あるいは2台で同じ出力が得られます。そのため、印刷機に必要なスペースは縮小され、オープンスペースは後加工に移行する前の予備スペースとして最大限活用することができ、完成品から出荷されるまでの総スループット時間は数時間短縮できることになります。
また、AI制御のパウダーアシスタントを搭載した最新の印刷機では、必要最小限のパウダーのみ塗布することが可能です。
また、ローラーやブランケットの寿命はUV印刷の約2倍で、インキも安価になります。
検討する価値があるのではないでしょうか?
最後になりますが、私どもは、潜在的な生産性向上をするための作業時間削減(時間/年)、コスト削減(円/年)の可能性を示すポテンシャルアナリシスコンサルティングを、プリプレスからプレスまでの全製造工程で提供いたします。
コンサルティングの結果、プリプレスでは、UCR(下地色除去)やGCR(グレー色除去)機能の適用や、スクリーニング時に正確に計算されるスポットカラーを適量発注することで、インキコスト削減の糸口を見つけることもできます。このようなインキの節約は、年間数百万円のコストダウンにつながることもあります。
ハイデルベルグのアカウントマネージャーまでお気軽にお問い合わせください。アカウントマネージャーが、お客様のために、私たちのエキスパートと直接話をする機会を設けさせて頂くことも可能です。
B.データに基づいた意思決定はマネジメントを変える
厳しいビジネス環境において成功するには、重要業績評価指標(KPI)を設定したうえで、改善をすすめ、経験や臆測ではなく、データに基づいた意思決定が大切です。
リーダー、マネージャー、現場が、売上高や利益率だけでなく、生産性や販売枚数・印刷枚数あたりのコストについて、リアルタイムの真のデータと傾向を確認し共同で舵取りをすることで、オペレーターの意見や臆測を聞くだけのチームと比べ、成功する確率は格段に高くなります。オペレーターの話を聞くことは重要ですが、それだけでは十分ではありません。
最も重要なことは、手作業で収集・準備したデータではなく、自動的に収集されたデータによって、正しいデータが得られるということです。KPIを関係者全員が共有し、日次、月次で確認し、その傾向を判断できるようになれば、改善努力は良い成果を得ることができます。このように時間をかけた、たゆまぬ努力は必ずや更なる改善を導くはずです。
それでは、私どもが提供するPush to Stop end to endソリューションについてお話します。
このソリューションは、生産プロセスのデジタル化を成功させた証として、よく知られています。そして、最高の生産性は、可能な限り低いエネルギーコストとシートあたりの総コストをも実現します。(補足A.に記載)
2023 年、H+ は本格始動いたします。H+ は、改善への道のりのためのデータとトレンドレポートのデジタルプラットフォームとして、経営者様をはじめ、マネージャー様、現場スタッフ様の業務をより快適にする多くの便利なアプリ(アプリケーション)が提供されます。
このデジタルプラットフォームには、すでにいくつかの新しいアプリが導入されています。例えば、インサイトでは、印刷工場に関する完全な透明性と分析を提供します。さらに、メンテナンスマネージャーやVMI(印刷資材管理システム)アプリもあります。また、PATやベンチマークなど、ハイデルベルグデジタルアシスタントでおなじみのアプリ等がH+に移行していることも、すでにお気づきかもしれません。
なお、H+をご利用いただくには、プリネクトプロダクションマネージャーのご導入が前提となりますが、お蔭様で年々、ユーザー様は拡大し、日本では2023年末までに約100社のユーザー様を見込んでおります。さらに、2024年には、現在300社以上のハイデルベルグデジタルアシスタントの全ユーザー様に、H+をフルに活用いただくことを目標としております。
ご質問やサポートにつきましては、どうぞお気軽にハイデルベルグのアカウントマネージャーまでお知らせください。そして、状況に応じて、私どものエキスパートが直接、お客様の話を伺わせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。