株式会社シュウエイは、昭和25 年の創業以来、印刷関連の紙加工業務に特化して、大きく成長してきた製本専門会社です。
本社工場のある埼玉県川口市には徒歩1分圏内に合計3つの工場を構え、ポーラー断裁機3台、スタールフォルダー紙折り機16台など、最新加工設備を数多く擁し、加工品質の高さをつねに追求し続けてきました。そのすぐれた品質は業界でも定評があり、顧客から厚い信頼を得ています。
近年ではクリエイティビティを強化することで、顧客の要望を先取りする「創注型営業」を目指しています。断裁、折り、とじといった後加工業務はもちろん、特殊加工の企画・開発、パンフレットやチラシの企画・制作まで手がけるなど、従来の枠を超えた新しいビジネス展開も進めています。
グリーンプリンティング認定制度や個人情報保護マネジメントシステムの認証取得など、環境保護や情報管理にも積極的に取り組んでいます。
同社の断裁工程では、長年にわたってポーラー断裁機が使われてきました。「28 年前からポーラーを使っている」と誇らしげに話す代表取締役社長の中村匡秀氏は、その理由を次のように説明してくれました。
「短納期化と高品質化の要望に応えるためには、セットアップ時間を短縮しなくてはなりません。そのためには最初の工程である断裁の精度が非常に重要になります。堅牢で長年使い続けても高い断裁精度が維持できるポーラーなら、安心して使い続けることができます」
断裁は紙加工のスタート地点であり、印刷物の加工品質を決定づける最重要工程です。同社では加工前の刷り本をすべて四方断裁しています。
これによって「後工程の負担が軽減でき、品質と効率が上がる」と生産本部統括本部長の丹下浩介氏は次のように話しています。
「最初の断裁工程で四方を直角に仕上げれば、折り機の羽根の細かな調整も楽になり、セットアップ時間が短縮できます。抜き取り検査で不良品が見つけやすくなるというメリットもあります。また折り丁と折り丁の間隔が詰められるので、生産性の向上にもつながります。
二辺化粧と比べ、折り機1台で1 時間当たり500~1,000 部の差が出ます。さらに中とじ工程では折り丁の長さが揃っているため、ズレ本検知装置がフル活用できます」。
四方断裁を行うことで断裁回数は増加しますが、このひと手間が「顧客満足度の向上につながる」と中村社長は断言します。
四方断裁は後工程全体における品質検査体制の向上、折り・中とじ工程の生産性向上に貢献しますが、その作業手間によって生産性が下がり、ボトルネックとなっては元も子もありません。
このため、同社ではポーラー断裁機を単体ではなくシステムとして導入・運用することで、生産性の向上を図ってきました。
3 台あるポーラー断裁システムは、いずれも突き揃え(ジョガー)から、断裁機後方テーブルへの自動搬送(グリッパ搬送システム)、断裁、積紙(トランソマットE)まで完全にシステム化された後方給紙システムを採用しています。
2017 年3 月には最後まで残っていた旧世代機を最新世代のポーラーN137 PLUSを中心としたシステムに更新。この新しいポーラー断裁システムについて、丹下本部長は「全自動システムといっても過言ではない」と高く評価しています。
生産部の木戸次長は、作業性が改善したと次のように話しています。
「ジョガーの送り速度を調整できるので、UV 印刷のような滑りやすい用紙でも崩れることなく、スムーズに搬送できます。
またナイフ深さの調整も、機械前面から簡単に行えるようになりました。ワイドテーブルも作業性の向上につながっています」、さらにバックゲージ速度やナイフ速度の高速化もあって、最新世代のシステムでは生産性が飛躍的に向上しました。
1パレット8 コマを四方断裁する場合、一般的にワンマン運用で30 分以上を要すところを約19 分でこなし、紙載せ作業に補助をつけた1.5 人運用ではわずか11分ほどですべてが完了します。
そのため折り機、中とじ機の待ち時間はなくなり、工場全体に渡って非稼働時間も大幅に削減しました。
断裁部門でも残業時間が平均1 時間減って、人員の適材適所による多能工化に貢献しています。まさに製本会社のスマートファクトリー化に取り組むことで「工場全体で生産効率は50%アップした」と丹下本部長は喜んでいます。
中村社長は今回の成功を踏まえ、今後も計画的な設備投資を続けながら「夢のある、付加価値の高いものづくりに挑戦したい」と将来に向けたビジョンを語っています。
ポーラーN137 PLUS
‒ タッチパネル式18.5 インチカラーディスプレイを搭載。
‒ グラフィック表示が作業効率を向上。
‒ バックゲージ速度を高速化(30cm /秒)し、生産性を向上。
‒ 断裁機前方からナイフ交換が可能なオプティナイフを標準装備。
株式会社シュウエイ
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