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株式会社 マルモ印刷様

マルモ印刷株式会社は、紙製品/フィルムの印刷加工技術、UVオフセット、UVスクリーン、3D印刷など蓄積された特殊印刷技術を背景に、世界23カ国に向けてオリジナルの紙製品「geografia(ジオグラフィア)」を販売している異色の印刷会社です。香川県三豊市という四国の一地方都市に拠点を置きながら、世界進出を果たしたビジネスの秘訣とは何かをご紹介します。

四国を拠点に本物のものづくりを志向

株式会社マルモ印刷は、香川県に本拠を構える老舗印刷会社です。創業は1919年(大正8年)。地域密着の典型的な印刷会社として歩んできた同社ですが、3代目の奥田章雄氏が現社長に就任した2001年以降、四国という地方にありながら、国際的なビジネスまで展開する異色企業へと大きな変貌を遂げました。企業理念は「本物のものづくり」。長年にわたって磨き上げてきたオフセット印刷の基本を核に、特殊印刷技法と特殊加工技術を組み合わせることで、消費者が思わず手で触れてみたくなるような「本物」を創り出すことを目指しています。その背景には全国屈指の製紙・紙加工業地帯を擁する愛媛県四国中央市のすぐそばで、多種多様な紙製品の印刷・加工を手がけてきたという確固たる実績があります。しかし、本当の意味で大きな転機を迎えたのは2003年のことでした。この年、同社はハイデルベルグの菊四裁判4色UV印刷機スピードマスターSM52-4+Lを導入して、本格的なUV印刷をスタートさせました。しかもこの印刷機はインラインのダイカッティング機能を装備しているため、UV印刷と同時にカッティングや抜き、エンボスなどの特殊加工がワンパスで処理できるというユニークなもので、当時は国内初の導入企業として大きな話題にもなりました。導入の直接的な理由は既存顧客のニーズに応えることでしたが、結果としてフィルムやPP、PETなど多種多様な原反への対応が可能になり、また特殊加工のノウハウも身につくなど、同社の印刷・加工の表現方法は飛躍的に拡大しました。

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SM52のUV印刷加工技術を活用して自社商品を開発

新しいスピードマスターSM52は、同社がこれまで手がけてきたメモパッドやレターセット、シールなどのステーショナリー製品、キャラクター製品の生産に威力を発揮し、顧客にも高く評価されました。さらに翌2004年にはSM52のUV印刷加工技術を駆使して、クリアファイル付き封筒「ファイルDEメール」を商品化。この「ファイルDEメール」はPP素材の封筒で、受け取った人は開封した封筒の端をミシン目に沿って切り取るとクリアファイルとして利用できるという環境にもやさしい封筒です。オリジナルデザインで作成でき、企業にとってはダイレクトメールの開封率が向上するというメリットもあります。奥田社長は開発の経緯を次のように語っています。
「クリアファイルの印刷だけでは、価格競争に巻き込まれてしまいます。何か付加価値をつけられないかと考えて生まれたのがファイルDEメールでした」
社長のアイデアから生まれた「ファイルDEメール」は、次に開発・商品化したバッグタイプの「ファイルDEバッグ」と共に大ヒット商品となりました。同時にSM52の導入から始まった新しい印刷加工技術を、積極的にPRすることで新しい顧客層の開拓にも乗り出しました。様々な印刷サンプルも制作し、営業活動を展開しても反応はいまいちでした。当時の状況について奥田社長は次のように語っています。

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「印刷サンプルを見て『面白いね』と言ってくださる方は多いのですが、それ以上の進展はなかなかありませんでした。それならば、自社製品を創ってそのなかで自社の技術を見せていこうと考えました」こうして誕生したのが、現在ではニューヨーク近代美術館MoMAでも販売されるようになった「地球」をテーマにした紙加工製品「geografia(ジオグラフィア)」でした。

世界に認められた四国発のオリジナル紙製品geografia

「geografia(ジオグラフィア)」は地理・地形・地球・をテーマに様々な製品を展開しています。2007年に初めて商品化したgeografiaは32面体の組立式地球儀でした。地球の内部構造を印刷したコアパーツに、3D印刷技術で大陸部分が浮かび上がって見える地殻シートをはめ込んでゆくと地球儀が完成します。机の上に置くと、ちょうど地軸の傾き(23.4度)を再現するなど、細部にわたって工夫が凝らされています。デザインは東京のドリルデザインが担当し、マルモ印刷が自社製品として販売しています。現在では金属や革、木目の質感などを表現したMATERIALシリーズ、地球の夜景を再現したNIGHTシリーズなどの地球儀も商品化されています。この他にも等高線にあわせてカットされたメモブロック、地層を側面に表現したメモブロック、世界の都市をモチーフとしたリングノート、湖をテーマとしたブックマークなど幅広い商品展開を行っています。ここにはUV印刷、エンボス加工、盛り上げ印刷、蓄光印刷など、同社の特殊印刷・加工技術が惜しみなく注がれています。しかも商品化からわずか2年でニューヨーク近代美術館MoMAをはじめとする海外販売もスタートさせました。「商品開発の段階からMoMAが目標だった」と語る奥田社長は、現在の成功に満足することなく、geografiaをさらに進化させようと考えていました。

商品開発力の強化と内製化を目指してKAMA社のプロカット74を導入

自社製品の開発を通して、様々な特殊印刷技術、特殊加工技術を磨き上げてきた同社が、新しい戦略機として導入したのが、KAMA社のプロカット74でした。プロカット74は打抜き、スジ入れ、ミシン目入れ、ハーフカットから、箔押し、エンボス、ホログラムなどの特殊加工まで可能な多機能搭載モデルです。導入を決めた理由について奥田社長は次のように語っています。
「抜きや箔押しなど後加工の内製化と同時に、新しい加工技術にも挑戦したいと考えていました。生産機としての能力はもちろんですが、製品開発や試作品の製造にも活用できる柔軟性を持った機械を探していました」そして2011年11月、プロカット74が同社に納入されました。導入してまだ半年ですが、早くも成果は上がっていると奥田社長は語ります。「これまでは試作品をつくり直すたびに外注費がかかっていました。プロカットを入れてからはこうした外注費が不要になりました。また外注先とのやり取りが少なく開発スピードも向上しました。さらに開発段階の極秘情報が外部に漏れることがなく、安心してサンプル制作に取り組めます」

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それだけではありません。自社設備で気軽に試行錯誤を繰り返すことができるため、社員のアイデアを素早くカタチにできるようになりました。こうして社員が初めて開発した独自商品「はちプラス」が生まれました。これは園芸ポットを手を汚さずに持てるPPシートの加工製品で、簡単に切り取って使えるのが大きな特長です。「ファイルDEメール」の紙バージョン「紙フォルダーDEメール」の商品化にも貢献しています。さらに2012年にはプロカット74の加工機能から生まれた新しいgeografiaも発表予定とのこと。四国から世界市場へと進出する同社の挑戦をKAMAの技術が貢献しています。

【企業プロフィール】
代表取締役: 奥田章雄
本社所在地: 〒769-1502 香川県三豊市豊中町笠田笠岡3915-5(陣山工業団地)
TEL: 0875-62-5856
FAX: 0875-62-5861
URL: http://www.marumo-print.co.jp
事業内容:
■一般印刷全般
■紙製品印刷・加工(ステーショナリーなどの紙加工製品)
■フィルム(PP PET 塩ビ)印刷・加工
■特殊印刷(UVオフセット、UVスクリーン、3D印刷)
■自社製品・製造販売(geografia)

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