印刷物は、想い(感動)を人から人へ伝えるもの。そして、そのお手伝いをすることが自社の存在価値であると捉え、2023年、創業から70年を迎えた株式会社総北海(北海道旭川市、代表取締役 田村総司郎)。北海道内はもちろん、東京を中心とする道外のお客様にも、出版から一般商業、オンデマンドに至るまでの印刷物、そしてホームページ作成、データシステム構築、ネットワーク整備といったデジタルツールのサービスも提供し、お客様の広報活動、業務活動全般をトータルにお手伝いすることで、お客様の新たな可能性を広げるサポートをビジネスとして展開しています。
その総北海が、2003年から導入しているのがハイデルベルグのワークフローソフトウェア、プリネクト。2015年のスピードマスターCD102の導入を機に本格的にプリプレス工程と印刷工程の統合での活用を開始し、2020年にはプリネクト一部機能のライセンス契約から、プリネクトプロダクションマネージャーというサブスクリプション契約に切り替えました。
プリネクトプロダクションマネージャーへの切り替えの理由について田村社長は、「正直に言うと、ブラウザ上で校正の確認や修正指示ができる他社製のシステムを導入してお客様とのインターフェースの効率化を図りたいと強く思っていました。一方、その当時、頭が痛かったのは、プリネクトのオンライン機能の追加購入やバージョンアップと、その度にかかるコストです。そうした時に、ソフトウェアのサブスクリプションであるプリネクトプロダクションマネージャーには、お客様とのインターフェースであるポータルも含まれ、サブスクリプションなので今後バージョンアップにもコストがかからないと聞いて導入を決断しました。」と語ります。
しかし、ポータルで実際にお客様とつながっても総北海のビジネスに貢献するように動きだすまでには時間がかかったと言います。「実際にポータル入稿が動き出すまでには、1年くらいかかりました。当然お客様に使って頂くツールなので、まずはお客様への説明が必要でした。最初は及び腰だった営業も、ポータルを紹介し、それが実際に動き出してお客様が喜んでくれているのを見て初めて自信をつけ、さらに横展開をし始めました。
営業によってバラツキはありますが、そのような小さな成功体験が積みあがっていくことによって、徐々に社内外にポータルの優位性が認識されていったのだと思います。また、営業として、他社との差別化ツールのひとつとしても活用できるようになりました。デジタル化することで営業効率も上がり、エラーや無駄なコストや時間を削減することにつながった。」と、営業チームも含めて全社で取り組んだ地道な努力を思い起こします。
「当時、日勤の印刷率(昼間の印刷機稼働率)が低く、これを変えていかなければならないという課題があり、社内でも様々な施策に取り組んでいました。その日入稿して、その日印刷までという仕事が多く、夕方に入稿が集中していました。そのため、昼間印刷機が止まっているという状況が多くあったのです。そこで、日勤で印刷できるものをもっと増やそう。そして、そのためには工場全体の効率化が必要であり、プリネクトの自動化が活用できるということで取り組みを始めました。」と、当初の課題についてプリプレス課の安芸課長は説明します。また、導入後の成果については、「プリネクトプロダクションマネージャーのポータル入稿を利用することによって、日勤で印刷するための下阪までのタイミングが圧倒的に早くなりました。複雑な面付でなければ自動面付でRIPを通った状態で入稿されるので、製版作業も不要で、後はチェックだけですがモノによってはノーチェックで行けるものもあるので、特に定期物20件では月に50時間くらいの削減が可能になりました。おかげで、従来当たり前のようにあった休日出勤や残業も激減しました。」と話します。
今後のプリネクトプロダクションマネージャーの活用について田村社長は、「プリネクトプロダクションマネージャーは、印刷会社にとって便利な多くの機能が余分なコストなしで使えると聞いています。私たちも何ができるのかをもっと勉強して、少しでも我々にとって役立つ機能があれば今後積極的に活用していきたいと思っています。例えば、生産工程全体で生かせる用紙の情報入力や、今でも全社でアナログ作業が多く存在する予定組みや、簡単にできそうなパレットシート等は、すぐにでも利用していきたい。
また、経営者として重要なのは“見える化”に尽きる。大切な部分が見えないことには将来のための改善、そして目標を立てることができないため、特に工程が見えづらいプリプレス部門に関してはデジタル化を図って行きたいと考えている。同時に、ハイデルベルグさんには、今後もますます私たちのビジネスに役立つ新しい提案をして頂くことを期待しています。」と、そのポテンシャルに期待を寄せていました。
株式会社総北海
〒078-8272 北海道旭川市工業団地2条1丁目1番23号
TEL.0166-36-5556
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